御鎮座地:石川県金沢市天神町1−3−16 
御祭神:菅原道真公
ご神徳:
合格・学業成就・詩歌・文筆・芸能・農業守護・病気平癒・縁結び・子授け・夫婦和合・五穀豊穣・医薬・産業開発・商売繁盛・交通安全・厄除け開運など
例祭日:4・9月24〜26日
交通手段:
北鉄バス桜町下車徒歩3分
金沢駅東口6番乗り場、武蔵が辻近江町市場前、香林坊中央公 園前、兼六園下車庫前より金沢大学行き及び北陸大学行き乗車。
(所要時間は、金沢駅より約20分、武蔵が辻より約15分、香林坊より約10分、兼六園下より約5分です)

由緒
 菅原道真公が大宰府へ左遷される途中、河内の国の道明寺(大阪府藤井寺市)の叔母覚寿尼を訪ねてお別れの挨拶にうかがった際、旧知の田邊左衛門(さえもん)に自画像を授けられました。以来、当家では家宝として大切に守り伝え、その後越前に居をかまえましたが、天正期(1572〜92年)に田井城に拠った一向一揆の奨松田次郎左衛門が、米泉村の郷士州崎兵庫と土地の境界を争った際、当家は同族の松田次郎左衛門を助けて参戦し、以来永くこの地にとどまることになりました。後、田邊喜兵衛の代に、前田利常公より十村役(代官・大庄屋)を命ぜられ代々その職を継ぎ、先祖伝来の菅原道真公の自画像を邸内社(ていないしゃ)にお祀りし、当家のみならず近在の人々も田井郷の鎮守の神さまとして大変尊ばれました。明治となり、この神さまを崇敬するたくさんの人たちよって当家の庭園内に神社が建てられました。また、境内地には、第13代藩主前田斉泰(なりやす)公より拝領した大国主命が祀られています。
田井菅原神社芭蕉の句碑
風流の はじめや奥の 田植唄
田井菅原神社鳥居
木製の杉材に瓦葺で建てられています。福井県勝山市の平泉寺白山神社の鳥居と同形と言われています。
田井菅原神社案内
田井菅原神社八房(やつふさ)の梅
 芭蕉が元禄2(1689)年、奥の細道の旅に出ており、同年7月金沢に立ち寄っているため、金沢の地に芭蕉の句碑が見られます。
 当社の石碑には、側面に明治21年3月下旬と建立年月を刻んでいます。従って、最初からこの地に、置かれたものではなく、当年に奉納という形で移されたと伝えられています。
 なお、福島県須賀川にても同じ句を詠んでいます。
田井菅原神社の拝殿の手前に五重塔があります。
園崎善一著『小立野校下の歴史』と言う書籍に
寄進者として句碑に刻まれている「飾谷與右衛門」さんの人物紹介が書かれていました。
一部抜粋しますと
「明治元年3月24日生 金沢市上石引町60番地出身 旧県会議長 家業は醤油醸造・味噌製造業」
などと紹介されています。
参拝者の方の話によると
「金沢大学付属病院前一帯が飾谷さんの地面で、地元の名士だった」
と言われています。
当社が加賀藩十村役の守り神として崇めていた天神自画像のご神体が神社となったのは明治13年です。
飾谷さんが明治元年生誕と言うことを考えると、神社になってから奉納して戴いたことになるのではないかと思います。
約100年前に植えられたと伝わる5本の梅の木から、毎年双子の実が生ります。
専門家は、「双子の梅は、突然変異で複数の実が花弁状にくっついてなる(八房)の一種とみられ、田井菅原神社の梅の実について、遺伝的な性質から花が実になる過程でめしべが2・3本に分かれ、それぞれが受粉することで双子の梅が生る」のではないかと分析しています。
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春と秋のお祭りに華道古流家元より奉納される生花です。当神社で家元の天神掛軸をお預かりしています。
当家に所蔵されていた古文書に、享和2(1802)年、第12代藩主前田斉広(なりなが)公の封襲後初のお国入りによる新春の献上鏡餅のことについて記されたものがあります。鏡餅は次のとおりとなっています。鏡餅は、三点セットとなっており、真中は、床(とこ)飾り餅、向かって右側は、蓬莱(ほうらい)飾り、左側は櫓(やぐら)餅で、大小52個の紅白の餅が使用されています。再現するには約2石2斗(約340キログラム)のお米が必要とされ、米俵に例えますと、約5個半にもなります。現在は、諸々の諸事情から蝋を溶かして作った模倣品を利用しています。
 なお、鏡餅の上にのせると記されている
俵藻(たわらも)・橙(だいだい)・砂金(さきん)・熨斗(のし)・昆布(こんぶ)・串柿(くしがき)・ゆづり葉・うらじろ
及び、本飾りの折は増加すると記されている
橘(たちばな)、大根(だいこん)、根深(ねぶか)ねぎ、牛蒡(ごぼう)、田作り(たづくり)は生の食材及び花を神前に奉納し、五穀豊穣・無病息災・健康増進・子孫繁栄などを祈願致しています。
平成9(1997)年より、古例に則り、お正月に奉納しています。

 
田井菅原神社前身加賀藩十村役時代の表玄関前の椎の木
境内地の生い茂った苔
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